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平成天皇にお菓子をお届けするお通い箱11点を、1987年より11年かけて制作した。お話を頂いたのは、昭和天皇がお元気だった頃であった。虎屋先代の十六代光朝氏が社長、現社長(十七代当主)の黒川光博氏が副社長の時である。
この作品は虎屋のお菓子を買うと付いているパンフレットの中に写真が載っている。実際の大きさは30×40×10センチと大きく、中にあるお菓子の大きさが見て取れる。
天皇家にお菓子をお届けする時に、11合の内の1点を使うそうである。
本体は石膏原型の上に麻布を8枚貼り、乾漆技法で仕上げたため、軽くて丈夫な仕上がりである。本固地技法の上に、伏せ彩色した青貝、平文と金粉の研ぎ出し蒔絵にて宇宙空間を表す。
蓋裏には虎の生態を厚貝螺鈿にて表し、その周りにはオパールの石を象嵌した。
11点を、少しずつ間隔をあけて並べると、天の川のように天空に輝き連なる宇宙空間が見える。その模様に終わりは無く、11番目の箱を移動して1番目にずらしても図案はつながる。
箱の底面のデザインは蓋表と同じ構図であるため、11点の図案はつながり、天空の無限空間と命の永遠なる神秘を表現している。
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